遺伝子疾患 ジョンパトリックのケース

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遺伝子疾患 ジョンパトリックのケース

デンマーク:ジョン・パトリックのケース
母エリサによる手記

 

ジョン・パトリック10歳は遺伝子性疾患を持って生まれました。

ジョン・パトリックの出産に、始めは自然分娩を試みましたが、時間がかかりすぎた難産だったことから最終的には帝王切開の出産となりました。出産直後に担当医はジョン・パトリックを見て何かがおかしいことに気が付きました。長引く入院生活は、私にとってもジョン・パトリックにとっても苦しいものとなりました。

ジョン・パトリックは生命維持のため、保育器に入れられていたのですが、保育器のモニター機器のショートによりジョン・パトリックは手と足にやけどを負ってしました。

少し時間がたってから、医師からジョン・パトリックが稀な遺伝性疾患を患っていることを聞かされました。そしてその疾患について受けた説明は内臓が変形していくということと短命であろうということでした。

そして、学習についても学べるような状態になく、ジョン・パトリックは生涯意識不明の状態で生きていくという診断が下されました。

その後ジョン・パトリックは様々な検査の的とされ、特に内臓の変形において、そして彼の病状の変化をなど、詳しく検査されました。

生まれた直後からジョン・パトリックの状態は良いものではありませんでした。虚弱で常に管理と監視を必要としている状態でした。その後数年かけて徐々にジョン・パトリックの持つ遺伝子異常による不具合が眼に見えてわかるようになりました。

まずアイコンタクトがないこと。抱き上げたときに私たちを見ず認識していない様子でした。その後それは、視力があまりないためだったことが分かりました。視覚が20%しかなかったため、私たちが見えていなかったのです。聴覚にも問題があり耳に水がたまった状態でした。筋力がなくバランス感覚にも問題があり、足は歪んでいました。また、喘息や腸の問題も抱えていました。

私は様々な書籍を読み、自分ができる限りの「トレーニング」を彼にしました。学習能力や遊びそして子供向けのマッサージなど思いつく限り行いました。ただ、それらの本はすべて健常の子供向けであり障がいを抱えている子供が対象のものではなかったのですが、できることを全て行いました。その結果、いくつかですがポジティブな変化も見られました。

トレーニングの結果、歩行やバランス感覚を保つこと、自分で食事をすること、そして構成された遊びをすることなどができるようになりました。しかし、社会性など、まだまだ私の知識には及ばず、彼の生活の向上をしていかなければならないことはまだまだたくさんありました。

ジョン・パトリックのためには、専門家の助けやアドバイスが必要と感じていた私は、必要な道具や療法を調べ探しそれをジョン・パトリックに使用していきました。しかし、それがまったくの無駄に終わった時の私の落胆とフラストレーションはご想像できるかと思います。

私がロネ・ソレンセンに出会ったのはジョン・パトリックが5歳の時でした。進められて障がいのある子供たちの両親向けの講座への参加した時のことでした。彼女は私の今の状況を理解するだけでなく、障がい者のもつ問題についても知識のある、初めての人でした。今だから言いますが、始めは「こんな少しの刺激でそんな大きな変化がでるなんてことある?」と少し疑いを持っていました。

私はこれまで、マッサージや運動、ゲーム、そして様々なタイプの体を使ったアクティビティなどジョン・パトリックのために必死に行ってきました。だから、ほんの小さな変化を生み出すために相当な努力が必要なことも十分に知っています。

ロネ・ソレンセンは、1日わずか1時間半の刺激で毎日目に見える変化が現れる療法を私に教えてくれたのです。彼女によって新たな希望を与えられ、もうこれからは息子の生活の向上のために一人で悩まなくてもよいことを教えられました。

すぐに両親向けのホームトレーニングで学んだとおり、テンプラーナ早期介入療法という療法を自宅でジョン・パトリックに行い始めました。ジョン・パトリックは施術を本当に楽しみ、やっていくうちに私自身も顔、手、足への刺激を行うことを楽しんでいることに気が付きました。毎日触れていくことで親子の絆も深まりました。ホームトレーニングを始めてから1週間で変化が見られ始めました。変化は老廃物の排せつなど体の浄化から始まりました。喘息腸の状態は著しく悪化し、喘息の発作や体の様々な部分にひどい湿疹が出ました。湿疹によるかゆみは出なかったそうです。これらはよくある施術による反応だということです。

この期間はよくロネとコンタクトをとり、施術を続けていくように励ましとアドバイスをもらっていました。

始めの1か月でポジティブな変化が見られ始めました。ジョン・パトリックは涎をたらしたり、唾を吐くことがなくなってきました。私にとっては大きな悩みだったことがまずひとつ解決されました。ジョン・パトリックのバランス感覚に、目に見える変化があり、生まれて初めて走り回ることができました。アイコンタクトも一時的なものではなく、視線を合わせて見つめあうことができるようになりました。それからは、施術中ずっとアイコンタクトを保ったまま行えるようになりました。私は初めてそれが起こった日、涙を流しました。今までなかったアイコンタクトを息子と取ることができたのです。

テンプラーナ早期介入療法を開始してから4か月後に整形外科を受診したところ、以前よりも足のゆがみが良くなっていると言われました。私にとってもは大きな成果です! ジョン・パトリックの喘息も腸の状態も目に見えてよくなりました。

年を経て継続して行っていくことにより、どんどんポジティブな効果が現れました。ものによってはすぐに改善とつながったものもあれば、時間のかかるものもありました。

一つの症状に改善が見られたと思ったら、新たな症状が現れ気になったりということもありました。そんな時も行き届いた質の高いサポートをジョン・パトリックの変化や改善の状態に合わせてロネ先生に定期的に見ていただき、ホームトレーニングのプログラムを現状に合わせたものへ変更して頂き安心しながら継続することができました。

テンプラーナ早期介入療法のホームトレーニングをジョン・パトリックに行い始めて5年経ち、様々な改善が見られ、息子の生活の質が大幅に改善されました。

テンプラーナ早期介入療法により見られた顕著な変化は下記のとおりとなります:
● 聴覚が改善し、補聴器などの必要がなくなった
● 喘息がなくなった
● 腸の状態が大幅に改善された
● 以前は20%しか視力がないとされていたが、通常の視力の範疇に入った。また視覚的記憶に強くなった
● コンピューターゲームもできるようになり、高い集中力もでてきた
● 社会性も出てきた。現在では周りの大人や子供を認識できるようになり一緒に遊んだりコンタクトを取ることができるようになった
● ユーモアがあり、人を(特に大人を)からかったりするようになった
● 意志が強くそれを表現できるようになった
● 健康面でも大きく改善が見られ健康になってきた
● その他にも自分で様々なことが行えるようになった:食べる、飲む、着る、脱ぐ、そして身の回りの片付けなど

 

私はジョン・パトリックの能力について幻想は抱いていません。彼は100%健常な男の子になることはないことが分かっています。しかし、彼の生活の質は多大に変化し向上したのです。

今、目の前にいる息子は彼の人生を生き、探検しています。もともと穏やかな性質の息子ですが、思うようにいかないときには感情に表すこともあります。

テンプラーナ早期介入療法はこれまでもそうだったように、今後も息子の持つ様々な能力の改善を可能にしてくれるでしょう。日々の生活の向上も計り知れないものです。この療法に出合わなければ成しえなかった今に、そして私に掛け替えのないツールを与えてくれたロネ・ソレンセンに感謝します。

エリサ・マーティン・ウェイ

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