多発脳梗塞性認知症

Bharty Dementia

多発脳梗塞性認知症

認定療法士:Bharty Misty(バーティ・ミスティ)  英国


クライアント:シルビア
多発脳梗塞性認知症
2008年より認知症ケアホームに住んでいる
娘が2人、一人は弁護士、もう一人は認知症スペシャリスト
事故以前シルビアは文化人、ピアニストであり、人生後期はカウンセラーをしていた。


施術開始日:2009年6月
使用した療法:ソレンセン式フェイシャルリフレクソロジー + 手、足、脚のマッサージ
音楽:日本の禅ガーデン・セラピーミュージック


メディカルヒストリー:
2005年に多発脳梗塞性認知症と診断される。盲人として登録されている。過去3年の間に小さな発作を繰り返し起こしている。ケアホームに入っている間に毎日訪問してくれる夫の見舞いもむなしく記憶をすべて失い、混乱していった。可動率はゼロ、若年性黄斑変性症により視覚はほぼなく、言語は偶に過去の事柄について単語を発するくらい。18か月前に右足に血栓症を患った。11年前に交通事故により左肩にプレートが入っている。

2009年5月よりご主人の同意の元、フェイシャルリフレクソロジー(以下FR)を開始した。ご主人はシルビアを車いすや室内の椅子に移動されるのを手伝ってくれた。全てのセッションは週に一度ご主人御立会いの元行われた。(ご家族との個人的な同意の元行われた。)

2009年6月にケアホームから正式に補完療法士としての契約の元、セラピールームにて施術を開始した。全て彼女が受けたセラピーは管理ファイルに記載され、かかりつけ医にも報告された。記録は毎回更新情報をケアホームと私のファイルの両方の管理ファイルは記載された。


トリートメント:
全てのトリートメントは毎回シルビアのその時の状態に合わせて行われた。短めの時もあった。少し刺激が多くみられたときは一旦手を止めて様子を確認してからセッションを続けた。
シルビアは施術開始当初、施術を受け入れるが難しかったが、回を重ねるごとに施術の感覚を感じ楽しむようになりました。5か月後には自信を取り戻すようになってきました。内に閉じこもることも少なくなり滑舌も良くなってきました。セッションが欠ける時は状態が一部後退することをご主人も私も感じました。これは毎回セッションが欠ける度に見られましたが、短期的記憶は少し良くなっているのが確認できました。

開始当初、私の質問に対してのシルビアの反応は最小限でしたが、私は話しかけ続け考えさせるようにしました。しかし、彼女の反応は「Yessss…」という状態でした。しかし、外から見て、彼女がハッキリと見えていないことは明白でした。聴覚からの刺激に反応しているようでした。また私の手をしっかりとつかんでいました。その状態が何年も続き、からかうようになってきました。
毎回セッションを始める前に私は彼女の手を優しく握り、私に会いたかった?と聞くと私の手をしっかりと握りしめ、いたずらっ子のような笑いを浮かべYesと言うか頷くかをしました。もし、セッションを受けたくないという時はそれを尊重しました。
セッション中シルビアはよく深い息をつきました。セッションのたびに私は彼女とよく一緒に深呼吸しました。反応が返ってくるように楽しげに彼女に息を吹きかけたりしながら行ったりもしました。そうすると彼女も息を吐き出したりしました。しかし今では、もうルーティーンとなっているため、施術前には自ら自動的に行うようになりました。

セッションの終わりに必ず私はシルビアにセラピーを頼んしんで頂けたかどうか確認します。
彼女は時間をかけて何を聞かれたのかを考え、そして「はい。」や、「とっても!」などと答えます。
ご主人はそれを見て驚いたように「ようやく彼女はきみに話すようになったね」と言いました。

セッション回数も進んだ今ではシルビアは私にも慣れ、からかうように私の手をギュッとするなどちょっとした合図をお互いしあったりします。
鮮やかな色のシャツやジャケットなどを着ていった日には、「どう?この色?」と聞くと「ええ」と答えたり、時には手を伸ばして巻いているスカーフを触り感触を楽しんだりします。これはシルビアの大の皮質における神経が刺激を受け、考え、反応する、見る、聞く、触るように機能しているということです。

最近では、セラピールームの大きな窓を見て「窓が開いている」と言ったりします。
彼女が言ったことを注意深く観察してみると彼女の眼は窓のほうを向いており、盲人として登録されているシルビアの眼が見えているということが確認できました。


 

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